過渡現象って何?
直流回路にコイルとコンデンサがある時の電流は?
こんにちは!クマペイです!
直流回路にコイルやコンデンサがある時、どのような現象になるか知っていますか?
僕も抵抗がある回路は中学校でやってましたが、コイルやコンデンサがある回路については考えたことがありませんでした。高校からは機械系でしたし。
ということで今回は、直流電源回路にコイルとコンデンサがある場合の電流について解説していきます。
電流の流れを理解することで直流の電気回路をより深く読み解くことが可能になります。
過渡現象とは
【過渡現象】回路にコイルやコンデンサがあるときに、スイッチを閉じたり開いたりした瞬間に電流や電圧が時間的に変化する現象のこと
このようにスイッチのON・OFFで過渡状態⇒定常状態の変化の過程でみられる現象のことです。
定常状態…時間とともに変化しない状態のこと
過渡状態…ある状態から別の新しい状態へ移り変わる過程の状態のこと
ちなみにこれから説明でRやL、Cという文字が出てきますが、それはこんなことを表しています。
- R:抵抗
- L:インダクタンス(コイル)
- C:静電容量(コンデンサ)
つまり
RL直列回路は抵抗(R)とコイル(L)を直列に繋いだ回路
RC直列回路は抵抗(R)とコンデンサ(C)を直列に繋いだ回路
となります。
ではまずRL直列回路についてみていきましょう。
抵抗とコイルの回路(RL直列回路)
このような回路を考えたとき、時刻t=0でスイッチをONにしたときに回路に流れる電流\({I}\)の変化についてみてみましょう。
スイッチをONにしたときの電流の変化
\({t}=0のとき\)
\[{I}=0\]
\({t}=∞のとき\)
\[{I}={E}/{R}\]
このようになります。
したがって、一定時間経過したあとは\({I}={E}/{R}\)で定常状態となるので、短絡状態として扱います。
反対にスイッチを入れた直後は開放とみなせます。
抵抗とコンデンサの回路(RC直列回路)
このような回路を考えたとき、時刻t=0でスイッチをONにしたときに回路に流れる電流\({I}\)の変化についてみてみましょう。
スイッチをONにしたときの電流の変化
\({t}=0のとき\)
\[{I}={E}/{R}\]
\({t}=∞のとき\)
\[{I}=0\]
このようになります。
したがって、一定時間経過したあとは\({I}=0\)となるので、開放状態として扱います。
反対にスイッチを入れた直後は短絡しているとみなせます。
まとめ
RL直列回路
\({t}=0のとき\)
\({I}=0\)…開放
\({t}=∞のとき\)
\({I}={E}/{R}\)…短絡
RC直列回路
\({t}=0のとき\)
\({I}={E}/{R}\)…短絡
\({t}=∞のとき\)
\({I}=0\)…開放